2.私の契約した魔女様はオネェ系でした

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「あの……私は──」 「ふう。私、喉が渇いちゃったわ。この子には、早く『かくてるぅ』を作って欲しいのだけれど。ミハエル、この子連れて帰っちゃって良い?」 「(私の作ったカクテル?)あ……の」 「フィル殿、ヘレナ様は先ほど目覚めたばかりなのですよ。状況確認、今後の方針と対応などやるべきことも書類も山のようにありますが、まずは静養が必要です」 「もう、これだから頭が固い連中は融通が利かないわね。違うことをしたほうが、気も紛れるでしょうに」  ミハエル様も、魔女様も私のことを考えた上での提案だと言うことに胸がジンワリと温かくなる。ああ、こういう人たちともっと早く出会いたかった。ううん、もしものことよりも、大事なのはこれからだわ。 「(確かに体調は万全じゃないけれど、異世界でのリキュールを使ったカクテルを作って見たい!)異世界と前世の知識と技術を駆使したカクテルですか……。腕が鳴りますね。是非、作らせてください」 「ほら、聞いたミハエル!? 手続きとか後日にして、この子を連れ帰ってもいいでしょう」 「ダメに決まっているでしょう。解毒は終わっていますが、彼女は死にかけていたのですよ、暫くは安静が必要です。なにより外泊なんて認められません」 「じゃあ、この部屋で作って貰うのならアリよね?」 「え」 「は」  子供が悪戯を思いついたような無邪気な笑顔に、ドキリとする。な、なんて可愛らしい笑顔。は、反則過ぎるわ。魔女様の色香に加えて無邪気な笑顔にメロメロになっている間に、魔女様が手を翳しかけた直後──ノックも無しに部屋のドアが乱暴に開いた。 「ヘレナ!!」 「!?」
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