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「……ん」
目を開ける。
一面の森。
「……ん?」
森!?
「馬鹿な!! おれ達さっきまで、祭牙の部屋に――」
頭がついていかない。動転しながら、あたりを見渡す。
「そうだ、祭牙! 祭牙は――」
親友の姿を探そうとしたとき、少し離れた場所から、どおぉおんッ、と凄い音が聞こえてくる。
「なんだ?」
そちらに向かって歩き出そうとすると、
「お前は来るな! そこにいろ!」
探していた相手の声。
祭牙! そう叫び、走り出す。
そこにいろ、来るな、と言われても――こんな異様な状況で、わざわざ一人になれというほうが
ムリだろう。
おれは忠告を無視し、そちらに向かって走る。
「――未継」
果たして、そこには。
ドでかいモーニングスターを構えた、薄い鎧にお目めグルグルの。
見るからに狂戦士という風体の、祭牙がいた。
「こっちに来るんじゃない、未継! 敵が次から次へと湧いてきやがる、このエリア……そこで、しばらく待ってろ」
「や、そんなこと言われてもさあ」
「ああ、しかも、しかも」
祭牙は言葉を続けた。ピンピンと跳ねた髪を、わしゃッ、と摑む。
「お前を殺したくなってくる!!」
「はぇ???」
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