01:憂鬱モーニング

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◇  起きると、千佳くんはいなかった。  空っぽなベッドを陽光が照らしている。憂鬱な朝のはじまりに、ため息が溶け込んだ。う〜寂しい。  それにしても、唇が乾燥してるような? ん? 「……ハッ! 千佳くんとキスしたのって夢!?」  わあああああ!?!?  唇を触り続けていれば、蘇る昨夜の痴態。  寝惚けていたせいで朧気な記憶だけど、唇の柔らかさと舌の熱さを覚えていた。  ひとりでは持て余す広いベッドに、ごろごろと転がって唸る。 「ううう〜〜〜!もっかい練習って言えば、またキスできたりするかな〜〜……」  あわよくば、もう一回。  淡い下心に包まれた叫びが、部屋に木霊した。
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