02:戸惑いヌーン

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 けっきょく、学芸会は行かなかった。  代わりに、家の中で泗水家と藺月家に見守られながら主役の妖精を演じた。  衣装は間に合わないから、羽だけ簡易的なものを千佳くんに作ってもらって、みんなに「かわいい」って褒めてもらった。 「かわいい〜、うちの子にほしいわ」 「息子に頑張ってもらおうな」 「あらあら、うちの乃々を貰ってくれるの?」 「えっ! ま、まだお嫁さんは早いよ! 乃々はぱぱと結婚するんだもんね〜?」 「ん? ちーくんがいい」 「ですって。お義父さん?」  ふわり、わたしを膝の上に乗せる千佳くん。  取り返そうとする少し気の弱いぱぱと、微笑ましそうに見つめるまま。  千佳くんを応援してる由佳ちゃんと千里くん。  悲しいこともあるけれど、わたしは毎日幸せで、こんな日々が続けばいいと思っていた。
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