03:怖々イブニング

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 金髪碧眼のガタイのいいデザイナーさん。  どうやら麗くんと遠い親戚らしく、海外で生まれて日本に留学、そのあとまた拠点を海外に戻して、今は世界中で活躍してるとのこと。  ファッション以外にも、広告やグラフィックデザインも手掛けているんだって。 「ボク、ウィルだよ。仲良くしてね」 「……よ、よろしく、お願いします……」  距離感と体格差にびつくきながら、一応素人のモデルですみませんと挨拶し、千佳くんの背に隠れる。  差し入れを発見し、「どら焼きだー!」と走っていったウィルさんは、多分素直な性格。  わたしは悪意がなさそうなことに、少し安堵した。 「ごめんね、ののちゃん。ウィルは基本的にオーバーリアクションで距離感バグだから。後で叱っとくよ」 「ううん、平気」 「気使わせてごめんね。それじゃあ、ヘアメイクして服着替えよっか」  さて、ここからが本番。  顔を隠すとは言え、表立って見えないところも本気でやるのがプロフェッショナル。  ヘアメイクさんは女性で「お肌が陶器!」「綺麗な二重で目の形も完璧」「睫毛長〜い」「唇もぷるつや羨ましい〜」と、わたしをべた褒め。  緊張しないようにか、ずっと明るく話しかけてくれて優しかった。
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