01:憂鬱モーニング

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 自分の声がわかりやすく拗ねていたから、漂う無言の時間が恥ずかしい。仕事だったはずの千佳くんに、我侭で理不尽なこと言った。  鍛えてる千佳くんの背中に、額をめりこませる勢いで擦り寄せると、ちいさなため息が降りかかる。 「連絡したろ」 「……え?」  ……連絡、した?  途端に、脳裏によぎったのは充電していなかったスマホの存在だ。  千佳くん、冤罪かもしれない。 「一時間おきに、連絡入れてる。無視されたのは俺の方だっつの」 「えっと……」 「どうせ、スマホの充電切れてたとかだろ?パソコンの方は使ってるみたいだったからな。生存確認そこでしてた」 「千佳くんの大当たりです。ごめんなさい」 「反省しろ、チビ助」  頭のてっぺんを拳でぐりぐりされる。  失態つづきだ。しゅんと肩を落としてへこむ。いい匂いのホットサンドで少し回復したけど、反省は怠らないようにしないと。 「ありがと、いただきます」 「冷めないうちに食えよ」 「ん、くしゅんっ」 「だから風邪引くって言ったろ。俺の服着とけ」  テーブルに置かれた、出来たてのホットサンド。  数時間ぶりにまともなご飯にありついたわたしは、千佳くんサイズの服を着させられ、ゆっくり噛んで食べろよ、という言葉にもぐもぐしながら頷いた。
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