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四月。学生服に身を包んだ雄介と明は入学式に向かう。
「一番苦労したのは古すぎる本だよ。古本屋何件も巡ったよ」
「だよなぁ。父さんが学生のときから集めてた本だから廃盤も結構あったろうし」
「でもなんとかなった。ないと思ったものでも努力すれば見つけられた」
「なんか雄介だけ先に大人になったみたいでしゃくに障るな」
「まぁ明はまず千冊読みなよ。話はそれからだ」
数年ぶりに一緒に歩く登校の道。その町に咲き誇る桜はまだ散り時を知らない。
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