第2章

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「こんばんは、オーナー。今日はシルバーハスキーさんと、あの双子さん。それから新人の子を2人ヘルプにいただけますか?」  来店早々、指名を増やす。本命のハスキーさんを隣に、にぎやかで場を楽しませることが得意な双子のホストと、経験のためにと新人を選んだ。 「マジっすけぇー。ついに僕達も蛍様のお眼鏡にかなったんすけぇーっ!」 「おーやばー!ありがとうございまっす!兄弟ともどもよろしくお願いします!」  双子のホスト、前者が「すけぇ」が口癖のナニスケ。後者が何かとPayで支払いPayをこよなく愛するペイスケだ。よくセットで指名される。 「蛍さん、いつも気を使ってもらってありがとうございます。こいつらがうるさすぎたらすぐに外させますんで。おい、踊ってねぇでさっさと座れ!」 「大丈夫ですよ。なれ……たまにはにぎやかなのも楽しいですし。では、まずいつものと。それから、人数分のこれと……あと、お食事もいただこうかしら」  蛍様専用のとんでもない額の“いつもの”プラス人数分の、ウチで1番高額のシャンパン。この時点で今月のナンバー2は確定。  どよめく店内。俺、動じない。だって―― 「ひゃっほー、シャンパンコール行くっすけぇーっ!行くぜ、ペイスケ――あでっ!」 「あほか。俺がコールするからスケスケが俺を引き立てろ。新人2人は手拍子でいい。見てろ。さぁ、いくぜ俺のシャンパンコールッ!」  体感したことのない豪華な注文に狂喜乱舞のスケスケ双子が取ったマイクを、奪って突き上げるハスキーさん。
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