どうしてあの子ばかりなの

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ーーもう、(さかのぼ)ったところで元には戻らないーー あたしの愛してやまない大好きな先生。 自分の好きな命の燃える色、赤がペインティングナイフによって彩られた。 あたしにとって恐らくもう最後となるだろう、大切な作品が完成した。 これ以上は、何も創り出せないに違いないと感じた。 先生の命の儚さがここに存在する。 最低すぎる在り方なのに最高傑作として、ここにうまれた。 先生をずっと自分のものにするには、こうするしかなかったんだ。 永遠に、あたしだけのもの。先生を独り占めしてたいから、やったんだ。 取り返しのつかない、いけないことをしてしまった。 それは、先生と不倫したことだけではない。 先生を殺してしまったことだ。 これから一生をかけて背負うだろう、愛した人の命の重みを感じてしまう。 あたしは、狂ったみたい。自分のした行いに笑ってるのに涙が溢れてくる。 先生を思う愛しい気持ちが止まらない。目の前が、心までもがクラクラした。 fin
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