その唇、危険につき…

気になるアイツ

俺たちの接点なんて、たかがあれだけ。

落ちたプリントを拾おうとして起きた俺の顎とアイツのおでこの衝突による怪我。

だけどそのぶつかった衝撃で怪我したのはそこだけじゃなかったみたいだ。俺の中の何かがその衝撃でどうにかなったみたいだ。

あれからアイツを見るたびに、俺の心臓が騒がしくなる。

アイツと目が合うたびに、俺の心臓が騒ぎだし、顔が熱くなる。

なんだこれ。

アイツを無視することがどうしても出来ない。だってアイツがいつもああやって俺を見てくるから。

アイツのせいで俺もアイツのことが気になって仕方ない。

この無性に騒ぐ俺の心臓を今すぐどうにかしたい。