目が合うやつ

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目が合うやつ

いつもじっとこっちを見てくるやつがいた。 いつもの学食、いつもの窓際の席。 ここから見える景色はいつも違うはずなのに、1ヵ所だけ変わらないその場所。 今日も窓際のガラスに面したカウンター席のすぐ前の一番奥のテーブルで日替わりAランチを頼み、こっちを見ながら食べてる小動物みたいな奴。 クリクリしたつぶらな瞳が今日も俺の事をチラチラと見てくる。そして隣にはいつもの彼。 またあんな風にいつもの奴がそばにいて。いつものようにまたイチャつきながら二人で食べてる。 だけど時々、アイツはその隣の奴に絡み付きながらなぜか俺の方に目をくれる。 ほら、また目があった。 俺の顔、なんかついてるのか? 無意識に指先で顔の周りを擦る。 目が合うとそいつはいつもみたいに激しく瞬きをしたあと、気まずそうに視線をはずす。そのくせまたちょっとすると、盗み見るみたいにああやってこっちを見てくる。 なに?なんか言いたいことでもあんのか?ほら、口の横にケチャップついてるぞ…。隣の奴がそれに気づいて拭いてやってる。お前は保護者かよって突っ込みたくなる。 毎日が退屈で、変わらない日常に飽きていた。なんか、おもしれぇ事、ねぇかな…。 女も飽きたし。 適当に溜まれば俺を取り囲んでる奴らの誰かを抱く。時にはそれが男の時もあった。 顔なんかソコソコなら別にいい。 だって、はっきり言ってそいつらには興味ないし。 やることやれればそれでいい。 けど、なんか、満たされない。 そんな時だ…。気になるそいつを見つけたの…。
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