僕の親友は妹の彼氏

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僕の親友は妹の彼氏

隆太と僕は中学からの仲良しだ。 隆太にくっついて大学附属の高校のオーキャンをいくつか回って隆太と同じ高校を選び、高校から今の大学に内部進学した。 今日までたくさんこの隆太に助けてもらってなんとか無事に過ごしてきた。僕の人生においてこいつから離れるという選択は今までなかった。いつかはそんな僕だってこの隆太から卒業しなくちゃいけないのだけれど。 隆太は僕にとって掛け替えのない親友であり、相棒であり、心の支えの存在。 隆太と僕は、特別な関係だ。 といっても彼氏とかじゃない。 いわゆる友達以上恋人未満…。 僕たちのあいだにないのは性的な体の関係だけ。心は多分、恋人並みに繋がってて、精神的な繋がりはきっとそれに近いと言える。 隆太の友達の中では僕が常に一番でいたいし、誰よりも僕を優先してもらいたいってずっと思ってた。 だけどそこに恋愛関係は存在しない。 って事に…してる…。 しなければ…、ならないから…。 隆太は周りのやつみんなに優しいし、平等に大切にする。ただ、僕の事はいつも自分の事のように心配して気にかけてくれている保護者みたいな存在だ。 僕がこんなにもドジでヤワだから。 そんな隆太には、実はちゃんと彼女がいる。 僕の妹の環奈が…。 だからこのまま隆太と環奈の二人がうまく行けば、僕たちは義理の兄弟になるわけだ。大好きな隆太を独占したい僕にとってそれは実に理想的な僕たちの関係の最終型と言えよう。 隆太は実は、僕の妹狙いで最初僕に近づいてきた。 今となっては笑い話だけど。 やけに親切で変なやつだと思ったんだ。気づいた時にはもう遅かったけど。なんだ、これが狙いかよって。 だけど。兄を思う心配性なブラコンの環奈が僕の友達の隆太に相談するうちに、二人は結ばれた。 結局僕が二人のキューピットになったってわけ。 危なっかしい兄の僕を環奈はいつも心配してる。だから必然的に隆太もいつも僕を心配してくる。環奈の大事な兄だから、僕は隆太にも家族みたいに大事にされてる。
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