9/19
前へ
/55ページ
次へ
シャンパンタワー建てろってこと⁉︎ それって私がリョウさんに貢ぐってことじゃない… そんな大金ないし……というか頬にキ、ス… 思い出しただけで顔から火が出そうなくらい恥ずかしい 頬を両手で包んでいたら、オーナー室のドアが開かれた。 え、と振り返った瞬間、誰かに抱きしめられていた。 頬に両手を当てたまま抱きしめられたせいで、相手の胸板を押すこともできない。 「ありがとう、千鶴ちゃん」 ハルト、さん? 何かお礼されることでもしたっけ… 「俺の“好き”が散りばめられてた。あれって千鶴ちゃんでしょ?」 そう、 今回大雅君に提案したのは、ハルトさんのバースデーイベントに“ブルー”を散りばめることだった。 内装をブルーにするのは簡単だったけど、お店にあるシャンパンのブルーは安価な物が多く、アルテミスNo.1であるハルトさんにそんなシャンパンを下ろすのはこちら側も、何よりお客様側がプライドが許さないはず。 だから大雅君にお願いして、酒類の卸問屋に掛け合ってもらい取り寄せてもらったのだ。 ハルトさんのバースデー限定で、と無理を言ってかなりの数を入れて頂いた。 今度何かお礼しにいかないとな さっきモニターで見ていたのは、飾り付けられたグラスにブルーのシャンパンが注がれる場面 ハルトさんの嬉しそうな表情に、こちらまで同じ気持ちになったのは言うまでもない。 「今まで正直売上げ重視だったけど、それ以上に嬉しかった。ホストになってから初めてだよ。誰も俺の“好き”になんて気付いてくれないし、言うつもりもなかった。でも千鶴ちゃんはすぐに見つけてくれた。本当にありがとう。」 まさかこんなに喜んでくれるなんて思わなかった。 表情は見えないけどお世辞とかではなさそう…
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加