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シャンパンタワー建てろってこと⁉︎
それって私がリョウさんに貢ぐってことじゃない…
そんな大金ないし……というか頬にキ、ス…
思い出しただけで顔から火が出そうなくらい恥ずかしい
頬を両手で包んでいたら、オーナー室のドアが開かれた。
え、と振り返った瞬間、誰かに抱きしめられていた。
頬に両手を当てたまま抱きしめられたせいで、相手の胸板を押すこともできない。
「ありがとう、千鶴ちゃん」
ハルト、さん?
何かお礼されることでもしたっけ…
「俺の“好き”が散りばめられてた。あれって千鶴ちゃんでしょ?」
そう、
今回大雅君に提案したのは、ハルトさんのバースデーイベントに“ブルー”を散りばめることだった。
内装をブルーにするのは簡単だったけど、お店にあるシャンパンのブルーは安価な物が多く、アルテミスNo.1であるハルトさんにそんなシャンパンを下ろすのはこちら側も、何よりお客様側がプライドが許さないはず。
だから大雅君にお願いして、酒類の卸問屋に掛け合ってもらい取り寄せてもらったのだ。
ハルトさんのバースデー限定で、と無理を言ってかなりの数を入れて頂いた。
今度何かお礼しにいかないとな
さっきモニターで見ていたのは、飾り付けられたグラスにブルーのシャンパンが注がれる場面
ハルトさんの嬉しそうな表情に、こちらまで同じ気持ちになったのは言うまでもない。
「今まで正直売上げ重視だったけど、それ以上に嬉しかった。ホストになってから初めてだよ。誰も俺の“好き”になんて気付いてくれないし、言うつもりもなかった。でも千鶴ちゃんはすぐに見つけてくれた。本当にありがとう。」
まさかこんなに喜んでくれるなんて思わなかった。
表情は見えないけどお世辞とかではなさそう…
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