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「千鶴っ‼︎」 モニターを見ながら考えていたら、突然イヤモニから大雅君の切羽詰まった声が聞こえてきた。 先程まで何にも音沙汰が無かったら突然の音に驚いてしまう。 「なんかあったの?」 大雅君のこんな焦った声は一緒に働いてからは聞いたことがない。 よっぽど何か大変なことでも起きたのかな 「悪い、キッチンまで下りてきてくれ」 私に伝えた後、すぐに他のスタッフへの指示が聞こえてきたから相当な事態なんだと想像できる。 とりあえず急いでキッチンに向かうことにした。 2階のオーナー室からフロアやキッチンのある1階まで降りていく。 ホストでは、お酒がメインでサイドメニューとしてフルーツの盛り合わせがあるのが一般的である。 だけどアルテミスでは、珍しくサンドイッチなどの軽食の他にケーキやパフェなどデザートのラインナップまで揃えている。 しかもそれがまた美味しいのだ。 キッチンに辿り着けばなにやら騒がしい それにフロアのスタッフがキッチンに出入りしている。 「大雅君、どうしたの?」 キッチンのカウンターでスタッフに指示を出していた大雅君に声をかければ、勢いよくこちらに振り返りズカズカと私に向かってきた。 「千鶴‼︎頼む、キッチンに入ってくれ」 そう言われ、あれよあれよと言う間にキッチンでパフェを作っている私
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