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「あっ、」と川崎君が言うもんだから、何かあったのかと思い「え?」と返すと視線の先には、 「千鶴ちゃん」 こちらに手を降りにこやかに笑う彼 「ハルトさん、どうかしましたか、何か不備が…」 「違う違う。ただお礼を言いたくてさ」 何か不備があり、お客様やハルトさんにご迷惑をかけたのではないかと心配になり、駆け寄ればお礼が言いたいと言う。 「お礼、ですか?」 「うん、お礼」 ニコニコと笑う姿はまるで王子様なんだけど、何かが違う気がする… 「今度デートしようよ、千鶴ちゃん」 「…はい?」 「バースデーイベントが終わって落ち着いたら、休みとるから。そしたら俺の1日あげるね。」 「じゃあ戻るね」と言うだけ言ってさっさと行ってしまったけど… デートって、何? いや、デート自体はわかるんだけど、何でハルトさんとデート? 「No.1のハルトさんとデートなんてなかなかできないっすよ」 「川崎君…」 さっきの一部始終を聞いてたのか、ちゃっかり私の思考に入り込んでくる。 しかも了承したわけでもないのに、にこやかに去って行ってしまったし… ようやくイベントが終われば少しは平穏な日々が訪れるかと思ったけど、新たな悩みの種ができちゃったな。
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