から揚げ屋のオジサン

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から揚げ屋のオジサン

「よォ! 苦学生。今日は何個だ」 「──1コ」 「いつもに増してシケてるな。昨日まではずっと5個だっただろ。どうしたんだ?」 「今月はガチャいっぱい回したからお金が無いのよ、わかるでしょ」 「いや、わかんね」  私はガールズバーで働きながら高校に通う天涯孤独な苦学生だ。月末に3畳一間の下宿の家賃3万3千円を払うと一気に貧乏になる。  因みにガールズバーは限りなく合法的な店で、店長で私の身元保証人である遠い親戚の叔父さんに「お金はずむからお願い」と懇願されたので働いている。  どうやら私のボディはエッチらしく、そこを買われたようだ。  そして私はお客に毎晩触りまくられても嫌味1つ言わないのでいつの間にか大人気となってしまった。  高校生がそんな如何わしい店で働くなんてダメだろ! などと口うるさい大人達に言われそうだが、遠い親戚の叔父さんはそんな事を微塵も思っていないようで、むしろ働かぬ者喰うべからずと言った感じである。  この考えには私も大いに賛同している。  
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