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「わたくしに小市民と同じ物を食せと言われますの!」
何だか上から目線で嫌な感じだ、
「爺、この者どもにわたくしのプロフィールを聞かせてあげなさい」
お嬢様の後ろから腰が曲がった杖をついたお爺ちゃんが現れた。目が眉毛で隠れていて、まるで痩せたオールド・イングリッシュ・シープドッグのようである。
「お、嬢様、お任せを。──こ、こ、こ、この方をどなたと心得る。御門製紙株式会社の現社長、御門成昭様の長女、御門姫子様であらせまするぞ」
「そんな会社知らないし初めて聞く名前なのだけど。それとから揚げ買うのにプロフィールの紹介は必要なの?」
「し、し、し、失礼で有りますぞ! 御門成昭様及び姫子様をご存じないとは死罪に匹敵しますですぞ」
「爺、この小市民はあまりにも小市民過ぎて上級市民の名を知らないのですわ。なので放っておきましょう」
金持ちほどバカだと誰かが言ってたけど本当の事だった。
「オジサン、順番を譲る気は毛頭無いのだけど鬱陶しいので今回は特別に譲る事にする、遇の音もでないくらい美味しいのを先に作ってあげて」
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