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「でも青葉、“無理せず”って言ったのに無理した」
「う⋯⋯、ご、めんなさい。だ、だって⋯⋯っ!」
「ふ、怒ってない怒ってない。ただ、身体壊すまで頑張らなくていいんだよってこと」
「⋯⋯っ」
せんぱいがスプーンを置いて、真剣に話し出した。
「青葉は“頑張ってる”つもりだったんだろうけど、どっかで“無理する”になってた。頑張ると無理するはちがうんだよ。自分の限界を超えてまで頑張ると、それは無理してることになるから」
やさしい顔で語りかけてくれる。
「限界はひとによってちがうんだから、誰かと比べる必要はまったくない。自分の限界まで頑張れたんだから、青葉は頑張った。で、自分の限界を超えようと無理をして身体を壊した。きょう、ネガティブなこといっぱい考えたと思うけど、それぜんぶ捨てていいから。頑張ったな」
せんぱいのやさしい言葉とお粥のやさしい味が涙腺をいっぺんに刺激する。
涙とともにリミッターが外れ、気持ちがあふれてくる。
「う⋯⋯っ、せ、せんぱ、い、みたいにっ、なり、たい、って⋯⋯っ」
「ん?」
「せん、ぱいの、っと、なりに、いても、恥ずかしくない、わたしに、っ、なり、たくて⋯⋯」
「⋯⋯」
ひくっ、と嗚咽が漏れると、せんぱいが隣にきて背中をさすってくれた。
深呼吸をして、少し落ち着く。
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