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「おれ、ただの後輩のことをここまで気にかけるほど暇じゃないよ」 「⋯⋯っ」 「たしかに最初は、大学からの知り合いが危険な目に遭ってるのに見過ごすわけにはいかないって気持ちだったけど。ご飯誘ったのはほとんど下心だし、家に招いたのもすきだからだよ」 「⋯⋯!」 「てかそもそも、大学の頃からふつうにかわいいなって思ってたし」 「えっ!それは、うそ⋯⋯!」 「何でだよ」 なんてこった。 まさか、せんぱいも、すきでいてくれたなんて。 この恋が、こんなにもすぐに実を結ぶなんて、思ってもいなかった。 ふう、とひとつ息を吐いたせんぱいが、真剣な表情で言う。 「⋯⋯これからは、本物の彼氏に、なりたい」 「⋯⋯っ、わ、わたしも、本物の、彼女に、なりたい、です」 「⋯⋯ん」 せんぱいが照れたように視線を逸らす。 また戻ってきて、少し躊躇してから、ぎゅっと抱きしめてくれた。
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