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むずむずした空気が漂う中、残っていたおかゆを平らげる。
わたしの家に食洗機はないので、せんぱいが皿洗いまでしてくれた。
「あの、ありがとうございました」
「んーん」
髪をくしゃくしゃと撫でられる。
⋯⋯せんぱい、頭撫でるのすきなのかな。
よく撫でられている気がする。
ぼーっとせんぱいを見つめていると、だんだん顔が緩んできて甘くなる。
「かわいーな」
「へっ」
「あしたも無理はするなよ」
「⋯⋯はい」
「ん、じゃあ、帰るな。身体冷やさんように」
「ありがとうございました」
せんぱいを見送りに玄関へ向かう。
「あれ、そういえば、車は⋯⋯?」
「近くのパーキングに停めてるよ」
「あ、じゃあ、駐車代⋯⋯」
「え、いらんいらん」
財布を取りにリビングへ戻ろうとすると、腕を引っ張られ引き戻される。
「代わりに」
そういって引き寄せられる。
背の高いせんぱいに包み込まれるようにハグをされ、安心する匂いをめいっぱい吸い込む。
「⋯⋯じゃあな」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ」
名残惜しくなりながらばいばいと手を振って、帰っていくせんぱいを見送った。
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