step.05

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 唐突に響いた、明るい声。  フェンスと壁に挟まれた路地裏で、俯いていた灯は自然と足を止めて前を向いた。 「(……やっぱシフト変わらなきゃよかったな)」  目の前には、天敵となったツインテールの女の子。  ストレスが限界寸前だった灯は、絶叫しながら暴れてやろうかと思ったが、それすらもめんどくさくなったので、無言無表情のまま対峙した。 「あなたが悪いんですよ。クズのくせに、紫苑くんと別れないから」  憎々しげに灯を睨んで言い放つ彼女は、背に2人の男が従えている。  呆れる灯を前に「もうヤッていーの?」なんてふざけたセリフをニヤニヤ笑う男たちが吐いた。 「……鈴木さん、だっけ。待ち伏せなんていい趣味してるね。私のストーカー?」 「あなたと別れたら、紫苑くんはわたしのもの」 「…………話聞いてる?」 「どうして、あんたみたいな、クズに負けないといけないの」 「(……なんか、目イってない?)」  口ぶり的に、振られた腹いせでしかない。  腕を組んでいた理由はわからないが、紫苑が彼女と浮気していないことを確信した。
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