step.05

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 ただ、灯が殴られたことを看過できない結兎が、意識のない男たちを、げっしげっしと、ボールのように何度も蹴るから、止めに入らずにはいられない。 「りぃちゃんの顔、傷つけやがって。煮て焼いて刻んでやる」 「料理?」 「安心してね。証拠は残さず綺麗に処分するから」 「物騒」  灯は反射的につっこむが、今日はもう疲れた。  ぼんやり柊吾と結兎が会話するのを眺め、近くの柊吾に寄りかかる。  夜空を見上げると、分厚い雲が停滞していた。 「今日はテメーに譲ってやるよ。後始末はこっちでやるから、さっさとりぃちゃんの手当てしろ」 「譲るもなにもじゃんけんで決めただろーが」 「はいはい、うるせ〜。……りぃちゃん、後で俺んとこにも来てね」 「ん、ありがと」  最終的に、灯はじゃんけんに勝った柊吾に手を引かれて、路地裏を後にした。  転がる3人の後始末は結兎がしてくれるらしい。任せて申し訳ないけど、適任ではあった。 「……ったく、なんでお前が殴られんだよ」  ぎゅう、と灯の手を強く握ったまま歩く柊吾は、殴られたことが相当不服なのか不満タラタラ。  家に着くまで、文句は途切れず続いた。
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