step.06

5/19
前へ
/99ページ
次へ
 しゅんと肩を落とす紫苑は、きっとあざと確信犯。  身体の向きをくるりと反転させた灯が、ご機嫌を取ろうとキスマークをつけていくと、表情が笑顔に一変した。 「(かわいいけど、喉仏でてる……)」  首筋、肩甲骨、鎖骨、と濡れた手で灯は順番に肌をなぞっていく。引き締まってる均等のとれた身体だ。  期待に満ちた瞳に見下ろされながら、鬱血痕を残していくと、紫苑の腹筋がピクリと揺れた。 「(いま、おっぱいみてるな……)」  どれだけ紫苑がかわいく思えても、身体は成熟した男の人だし、下心だってちゃんとある。  紫苑の太ももに跨って座っている灯は、体格差をもろに感じつつ、泡の隙間から下半身をチラ見した。  規格外ではないけど、平均よりはビックなサイズ。 「えっ! な、なんで触るの……!」 「とくに理由はない」 「うっ、あ、元気になっちゃうから!」 「手遅れでは?」 「あっ、まっ、て……んんっ」  ほんの少し、灯の指先が先端に触れただけで、反応を示した紫苑はちょろい。  濡れて髪がオールバックになっている無防備な紫苑のおでこに、灯は一度キスを落として、手の中で膨らむものを上下に扱いた。 「えっ、あ、ちょ……っ」  ぱしゃん、お湯が跳ねる。  どうせ泡風呂えっちしたいんだろうし、なんて解釈をしていた灯は、手を緩めず紫苑に刺激を与え続けた。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加