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セミダブルのベッドの上。
遊びすぎたことを灯は反省しつつ、のぼせた紫苑にアイスを食べさせて、自身もクールダウンする。
冷やされてる本人は、やはり泡風呂えっちしたかったらしく「俺のばか〜〜」と両手で顔を覆い、またしても落ち込んでいた。
「ほら、子どもの頃の写真あげるから元気だして」
「ワッ! なにこれかわいい妖精さんだ……」
「そんなファンシーな生き物じゃないよ、人間だよ」
「色素薄くてふわふわ」
「まあ、ヨーロッパの血が半分流れてるし」
とはいえ、灯の顔立ちは日本寄り。
髪や瞳の色素が薄いだけで、おそらくハーフ感はそんなにない。
穴が空くほど幼少期の灯をガン見している紫苑は、頬をふにゃふにゃと緩めて、「かわい」と甘く呟いた。
「瞳の色は変わってないね、サファイアだ」
「そう? 少し茶色っぽくなったと思うけど。昔はラグドールの猫ちゃんって呼ばれてた」
「飼いたい」
本気かどうかわからない音色なので、一旦、灯は聞き流すことにする。
そしてふいに、かるく、紫苑の家族について話を振ってみた。
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