step.06

7/19
前へ
/99ページ
次へ
 セミダブルのベッドの上。  遊びすぎたことを灯は反省しつつ、のぼせた紫苑にアイスを食べさせて、自身もクールダウンする。  冷やされてる本人は、やはり泡風呂えっちしたかったらしく「俺のばか〜〜」と両手で顔を覆い、またしても落ち込んでいた。 「ほら、子どもの頃の写真あげるから元気だして」 「ワッ! なにこれかわいい妖精さんだ……」 「そんなファンシーな生き物じゃないよ、人間だよ」 「色素薄くてふわふわ」 「まあ、ヨーロッパの血が半分流れてるし」  とはいえ、灯の顔立ちは日本寄り。  髪や瞳の色素が薄いだけで、おそらくハーフ感はそんなにない。  穴が空くほど幼少期の灯をガン見している紫苑は、頬をふにゃふにゃと緩めて、「かわい」と甘く呟いた。 「瞳の色は変わってないね、サファイアだ」 「そう? 少し茶色っぽくなったと思うけど。昔はラグドールの猫ちゃんって呼ばれてた」 「飼いたい」  本気かどうかわからない音色なので、一旦、灯は聞き流すことにする。  そしてふいに、かるく、紫苑の家族について話を振ってみた。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加