Lv1 ▷ ふむふむ

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◻︎  午前の講義を受け、昼時のカフェテリア。  同じ商学部で入学当初から仲がいい清水(しみず) 那夢(なゆ)とご飯を食べていると、彼女の幼馴染兼恋人の戌井(いぬい) (りょう)と友人の榴禾(るか)がやってきた。 「遅いから食べてた」 「ひでぇ〜! 那夢も美愛もせっかちだな〜」 「暑ぐるしい離れて」 「俺、彼氏なのに! 冷たくね!?」 「喧しい。早く座れ」  仲が良くて、よろしい。  研いだナイフよりも鋭いクーデレの那夢と、どこか狛犬っぽい見た目のノンデリな涼。当たり前のように2人は隣同士で座る。  そして、自分の隣に座ってきた友人―――榴禾、を横目に、私はオムライスをスプーンで掬って食べた。  ちなみに、涼と榴禾は心理学部だ。 「今朝のこと、話題になってたよ」 「……? 身に覚えがない」 「皇のグループと接触したんじゃないの」  ああ、朝のことか。  年がら年中、不健康そうな榴禾に視線を流す。耳朶の沢山のピアスは、まるで夜空に並ぶ星たちのよう。  黄色のオムライスをスプーンで掬えば、榴禾は極々自然に私の手首を掴み、自分の口元に誘導してぱくりと食べた。  ……泥棒である。
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