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無罪を主張した私への反応は、様々。
呆れた様子の那夢に、感情と表情が直結してる涼、事実だけを飲み込んで無を貫く榴禾。バラバラの個性が一つの席に集結している。
パスタをフォークでくるくると巻く那夢の隣で、今度はバトンタッチされた涼が、私に疑問を投げかけてきた。
「美愛って、皇のどこが好きなん?」
「…………すき?」
「え、好きだから関わりたいんじゃねーの?」
「好きと関心は、私の中でイコールにはならないから別に……」
「ちょっ、どういうこと!?」
どうもこうもない。
感情の答え合わせは難しいし、気になる相手かと問われたら「うん」と即答えを出せるけど、好きな相手かと問われたら悩むところ。
「奇人の思考回路……謎すぎ……」
感情表現が豊かな涼に、ぽつりと呟かれた。
「アイドルを推すとかそんな感じ?」
「亜未くんをアイドルだと思ったことはないです」
「いっ、や……そうじゃなくてさぁ〜……」
「顔は好き」
「へえ、ああいう顔がタイプなの」
唸る涼の横で、パスタを食べ終えた那夢が興味深そうに眉を動かして見つめてくる。
榴禾と涼が自分たちの出来上がった昼ごはんを取りに行く間、どこのパーツが好み? と聞かれたから、一旦全体のパーツを褒めといた。
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