ねえェッ誘拐して

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ねえェッ誘拐して

「ねえェッ誘拐して!」  彼女は無邪気に笑みを浮かべ、可愛らしくボクに頼んできた。  まるで天使のような微笑(ほほえ)みだ。 「はァ?」誘拐しろだって。  なんというオファーだろう。  ボクはあ然として即座に反応も出来ない。  彼女の名前はアンジェラ。  悪の秘密結社(ギルディア)の首領ベガ閣下の愛娘だ。  アンジェラと言う名前の通り、天使のように可愛らしいが気性が激しくワガママで困ってしまう。 「なにしてるのよ。ポチ。今すぐ誘拐して」  アンジェラが少し不機嫌そうにボクに命じた。  まるで誘拐しないボクの方が悪いとでも言うようだ。 「えェ?」  あまりの突然の要求にボクの頭はパニック寸前だ。
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