you & me

1/1
前へ
/1ページ
次へ

you & me

 君が起きて、ご飯を食べて、顔を洗って、歯を磨いて、着替えて、仕事に行く。  うんと働いて、買い物もして、ただいまって言って帰ってくる。  僕はお疲れ様と言って迎えて、一緒の時間を過ごしている。  君が君でいられる時間を僕はつくってあげたかった。  この時間は、かけがえのない僕の時間でもあるから。  例えばだけど、僕が死ぬ直前に思い出すとしたら、君の笑顔だと思う。  そう冗談っぽく言ったら、君はほんとうに悲しそうな顔をした。  頬をつねられ、僕はごめんて謝った。  なんてことのない、記念日ですらない今日は、なんだか温かくて、ちょっぴり切ないような、不思議な日だった。  まだ、最後は来ないでほしいな。  この愛おしい時間が長く続くよう、心の中で願う僕を呼ぶ君。  ぼーっとする僕を少し笑いながら心配してくれた。  僕の記憶にまた、君との思い出ができた。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加