339人が本棚に入れています
本棚に追加
「実家が猟師で、三代目なんだけど。それだけじゃ食えないからさ。俺は会社員やってんの」
「猟師…」
「そ。一応、解体とかも出来るんだよね。鹿とか猪とか」
呆気にとられていると、マサミチはにっこり笑って白い歯を見せた。
私たちは休憩のたびに話すようになった。
ちょうどバックルームに人がいない時間帯にタイミングが合い、だいたい2人で過ごすことが多かった。
「徳永さんて、地元?」
「いえ、夫の地元です。生まれてからずっと市内らしいです。私は他県なんで」
「そうなんだ。俺も同じ、奥さんが地元」
「へー、そうなんですか。あんまり大きいところじゃないから、知り合いだったりして」
そんな会話をした覚えがある。
最初のコメントを投稿しよう!