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───胃袋掴むべしッ!!
「できた…!」
なかなかの出来栄えに、自分で拍手。
卵液に漬ける時間があるから少しお待たせしてしまったけど、かなりいい感じに作れたと思う。
リクエストの生クリームを多めに添えてさっそく祥太郎さんの元へ届けに行く。
「祥太郎さ〜ん」
「んー」
「できましたよ〜」
失敗したらどうしようかと思ったけど無事成功したので上機嫌な私。
テーブルにお皿とフォークを置いて彼を見ると、めずらしそうに私の撮影に使う機材を眺めている。
「本格的だな」
「まぁ…おかげさまでたくさんの人が見てくださるので…下手な動画は作れませんから」
「へぇーすげぇな」
「…本当に思ってます?」
「思ってるって」
思ってるのによくそう聞かれる、というのは聞いていたけど、やっぱり聞いてしまう。
だってなんか本当に思ってなさそうなんだもん…
「……ちなみに祥太郎さん、私の動画見てくれたことありますか?」
「……………、あるよ」
「絶対ないじゃん!!」
もうっ!とすかさず突っ込むと祥太郎さんが「今度見るって」と笑った。
その笑顔で全て許してしまうのが恋というもの。
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