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「恥ずかしいので見るのはお家でお願いします…」
「見せるために載せてんじゃねぇの?」
「目の前で見られるのはまた違うんです…インフルエンサーあるあるです…」
「ふーん。フレンチトースト、うまそうだったのに」
なんて、抑揚のない声で言って携帯をサワさんに返している。
「やっと分かった?すごい子なの」「まぁ」と話をしている2人。
…待って、その前に、私の特製フレンチトーストに興味があるだって…?!
「っフレンチトースト、好きなんですか?」
「え?うん、好き」
「〜〜っっ」
いや、フレンチトーストが好きって答えたのは分かってる。分かってるんですけど…っ
好きな人からのその台詞の破壊力はハンパない。
「〜っあのっ、今度っ、」
食べに来ませんか?!
と結構な声量で言おうとしたところで、口元に何かが当たった。
見ると祥太郎さんが人差し指で私の口を封じて、「しー」と言っている。
「っ」
ぶわっと自分からピンクのオーラが噴き出て、ついでに顔も赤くなった。
教授が講義室に入って来ていたようで、講義が始まると祥太郎さんが指を離して前に向き直る。
そしてもうすでに素知らぬ顔。
っえ、え、なに。
今のって結構ハードル高くない?
本当に、普通に静かにさせただけ?
何この人天然なの…?!
ぐるぐるそんなことばかり考えて、全く講義に集中できなかった。
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