ずるいです。

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「さっきの話だけど」 公園を出てまた歩き出すと、祥太郎さんがふいに口を開く。 彼の方を向くと、今度はお菓子の袋を開けていた。…こんな時間に、太りますよ… 「いいんじゃね?別に無理に友達作んなくても」 「え…?」 「サナが仲良くしたいと思うやつとだけ、一緒にいればいいじゃん」 「っ」 そうやってまた、私を肯定してくれる。 いつも真っ直ぐな彼の言葉は、他の誰よりも私に響いて、嬉しくていちいち泣きそうになってしまう。 本当に、私をどうする気なんだ。 こんな短期間でここまで誰かを好きになったことなんてない。 この人のことを、もっと知りたい。 独り占めしたい。 …好きになって欲しい。
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