待ってください。

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そして講義が終わっても、私には見向きもせず友人Aさんと講義室を出ていくパーカーの男。 っえ、なに、なんで? せっかく私と仲良くなれるチャンスなのに? 私sanaだよ? これでもフォロワー300万人いる有名人だよ? いいの? そんな思いと、私を知らない訳がないという自信過剰な考えで、慌ててその男を追いかける。 「っあの…」 声をかけても振り返らない。 代わりに隣にいる友人Aさんが気が付いてくれて、慌てたようにパーカー男の肩を叩いている。 なに、と顔を横に向けた彼。友人に後ろを見るように促され、ようやくこちらに視線を向ける。 黒髪に、気怠げな黒い瞳。 目は大きくもなければ小さくもない。 肌が綺麗で、言うなれば、塩顔。 …全然、陰キャって顔じゃないし。 普通にかっこいい。
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