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それからスーパーに寄って買い出しをさせてもらってから、2人で私の家に来た。
祥太郎さんはマンションがめずらしいのか、部屋に入るまでずっとキョロキョロしていた。
そして「10分だけください」と言って玄関で待ってもらい、急いで部屋を片付け、ようやく祥太郎さんを招き入れる。
「お、お待たせしました…」
息を切らせて呼びに行くと、めずらしく携帯を触っていた彼。
ちらっと見えたトーク一覧には、いろんな人からおめでとうメッセージがたくさん届いていた。
…友達多いんだなぁ。
てっきり返事を返すのかと思いきや、そのままポケットに携帯をしまってしまう祥太郎さん。
「返信しないんですか?」
「後でする」
「絶対しないでしょ」
「まぁ会った時にお礼言うって。…覚えてたら」
「絶対忘れてますって」
「…俺のこと分かってきたな伊都」
そんな、距離が近づいたことを思わせるような発言に嬉しくなってしまう。
だけどまだ足りない。
もっと、もっともっと近づきたい。
そのためには…
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