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──
ずっとずっと、言葉は遠くなった。
今しがた、この星系で最も遠い星を通り過ぎた。
もうきっと、声は届かなくなるだろう。ぼくの言葉は、この無限の虚空に掻き消えてしまうだろう。
寂しいな。
悲しいな。
ああ、でも。
ぼくは遠く、あの、最早幽る青き星に、最後の別れを告げる。
ありがとう、さよなら。
ありがとう、さよなら。
ぼくをここまで、飛ばしてくれてありがとう。
寂しく、残酷な、けれど確かな感謝がこ、の鉄の胸を埋める。
もう、声も届かないだろう。この託された唄も、黄金盤も、どこにも届かないだろう。
でもそれで良い。この機能が潰えても、この身があたら砕け散っても。
ぼくの役割は全うできた。
だから、
それで良い。
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