完璧過ぎる彼の、裏の顔

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小さな足を覆っている指定の靴下も脱がしていく。血流が流れているのか疑うくらいに、白くて不純物のない足。足趾を一つ一つ口に食むように口付けて。 「…ぅん、」 「菫さん?」 「…」 「良いよ。…まだ眠っていて」 一瞬、起きてしまうのかと思ったけれど。やはり彼女は眠りの世界に身を投じたまま、瞼を開かない。その様子にまた一つ、笑みが溢れる。 「あと邪魔なのは、---これだけか」 真面目にも規定通りの丈を履いている彼女。正しいことではあるし、他の男どもにそれを晒されないことは良いことだが。 皺にならないようにと、ゆっくりとそれも身体から外していく。上下お揃いの白に頼りなく守られている下肢の中心部。 左右で律儀に同じ長さに揃えられているリボンの紐。菫さんの好みにしては大胆にも思えるデザインだが、これはこれでギャップなので良し。 するりと片方を、引っ張って。その布切れを無意味なものへ変化させた。 ---やっぱり彼女を構成するそのどれもが美しくて、綺麗で、愛おしい。
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