完璧過ぎる彼の、裏の顔

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自分の知る限りでは、高校在学中に彼女に男の影はなかった。その理論からいくと、彼女は生粋の処女だということだ。 つまり、誰のものにもなっておらず、誰の“形”すら知らない。膝裏を持ち上げて、まずはその秘部をしっかりと目に焼き付ける。 いつか彼女の一番奥底に。深い愛情を注げることが自分自身に他ならないという浅ましい夢を見て。 誓うように、慈しむように、口付けを落とす。それを何度か繰り返していれば、眠りながらも反応を見せる彼女。 甘くて透明な蜜が、自分の唇にそっと触れる。 起きてほしくないのに、自分がされていることを理解した上での反応だったのならどれほど良かっただろうか。 早々訪れないこの機会を大切にするために、惜しむように舌先で愛でてから、ひとつ喉を鳴らした。
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