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どうして、と。幾度となく考えた。
どうして、奪われたのか。
どうして、壊されたのか。
どうして、お姉ちゃんが。
どうして、私たちが。
どうして、こんなにも残酷な仕打ちを受けなければならないのか。
自問自答を繰り返したけれど、答えはどこにも残されていなかった。
――…だから、私は誓ったんだ。
大好きな人と一緒に見上げた綺麗な星空も。
大好きな人の笑顔が沢山詰まった思い出も。
大好きな人が私を抱きしめる腕の温もりも。
大量の血飛沫が飛び散って赤く染まった光景も。
もう笑うことのないお姉ちゃんの静かな横顔も。
氷のように冷たい肌の感触も。
決して忘れることなく、生きていこうと。
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