カフェ

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「スニーカーだけいい・・。」 「どうしてだ?理由を言ってみろ」 「高い、から・・?」 「ぶっ!!」 すぐ近くで自分の分も物色していた統さんが吹き出した。 「凪が金の心配されてらー!ぎゃはは!!・・いってええええ!」 お腹を抱えて笑う統さんのお尻を、凪さんの長い足が蹴り上げた。 「あかり、気にしなくていい」 「そうだぞあかりちゃん!好きなだけ買ってもらえ!?」 統さんはお尻をさすりながらそう言う。 『遠慮されるとこっちが困っちゃうんだよ。人の施しは有難く受けるものだよ。そしてこう言うんだ・・』 「・・ありがとう」 小さな声で言ったお礼はちゃんと届いていたらしく 凪さんは「あぁ」と返事をしてくれた。 私に酷いことをしてきた水瀬さんだけれど、いくつもの大切なことを教えてくれたのもまた水瀬さんなのだと思い知る。
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