カフェ

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ー・・知らないこと、たくさんあるんだなぁ。 徐々に移り変わる車窓の景色。 小さな箱の中で生きてきた私にとって、外の世界は刺激的。 眩しいほどにキラキラと光る夜の街は、大人の時間へと移り変わる境目。 ライトアップされたオシャレなショーウインドウにはもう春服が並べられている。 道行く人々は一様に楽しげな表情をしている。 活気づくそこはまるで異世界。 相変わらず上機嫌な統さんと、前を見据える凪さん。 ー・・これからどうなるんだろう。 そんな不安は満腹と疲れ、それから規則的な揺れに押し流されて、いつしか眠りの淵へと溶けてゆく。 「おやすみ」 そんな声が聞こえたと思ったら深い眠りへと落ちていた。
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