追っ手

4/28
前へ
/110ページ
次へ
そんな気持ちを誤魔化したくて・・ 「あっ、この部屋海が見えるんだー!」 窓際に駆け寄ってみれば、朝日を浴びて煌めき静かにさざめいている海が見えた。 水平線の少し手前に、何艘かの小舟が浮かんでいる。 「あかりは海が好きなのか?」 「うん、好き」 あの時、好きになった。 オレンジと赤が混ざり合うあの光景は一生忘れられない。 「そうか。ここは俺のお気に入りだ。好きなだけ見ればいい」 凪さんは少し目を細めてそう言った。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加