追っ手

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昨日買ってもらった服の中から、薄ピンクのシャツと白いセーター、チャコールグレーのパンツを着ることにした。 シャツのボタンを2つ開けて出て行くと 「あかり、外は寒い」 凪さんに少し険しい顔で1つ閉められた。 それから足の消毒もしてもらった。 「だいぶ塞がってきたな。もう染みないか?」 「うん平気」 「ならこれで最後だ。腹の打撲はどうだ?」 ペラッと服をめくられて貼りっぱなしだった湿布を取る。 まだら模様に変わりはなかったけれど、あまり痛くもないし生活に支障はなかった。 「もう大丈夫」 「そうか?ならこっちもこれで最後だ」 真新しい湿布が再び貼られる。 過保護気味な凪さんが面白くてちょっと笑ってしまった。 父の記憶はないけれど、きっとこんな感じなんだろうな。 「あかり、出るぞ」 「あ、はーい!」
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