追っ手

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今日は凪さんが運転席に座る。 「助手席に乗れ」 「うん」 シートベルトを付けたことを確認して、ベントレーは走り出す。 運転する凪さんをこっそりと盗み見た。 凪さんの真剣な横顔に少しドキッとする。 相変わらず会話はない。 統さんもいないから、鼻歌も聞こえない。 走行音だけが響く静かな車内は、それでも居心地が悪いとは思わなかった。
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