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星を集めよ
「あなた誰?」
監視の目が厳しいこの刑務所にどうやって
入ってきたのか。
しかも、今壁をすり抜けてきたように見えたが
気のせいだろうか。
「わたくしは星の女神です」
「女神?」
「ええ。人は誰しも心に星を宿しているものです。
しかし何故か、あなたは星を持たずして
生まれてしまった。
あなたが罪を犯してしまったのは
星を持っていなかったからなのです。」
女神と名乗る女は悲しげな顔をする。
「へぇ、女神って本当にいるのね」
愛咲は目の前の女神に驚く様子も見せず
淡々と口にする。
「それで、星というのは一体何?」
「星、それは人間の言葉で感情を意味します。
『喜怒哀楽』主にこの4つの感情で形成されますが
あなたには4つの感情すべてが欠けていました。」
「確かに私は
感情の起伏が穏やかだったかもね。」
愛咲が冷静にこれまでの人生を振り返っていると
女神は唇を開いた。
「ですから、あなたに星を集めていただきたいのです」
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