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見知らぬ友人
朝日が柔らかに木々の隙間から差し込み、
鳥のさえずりが聞こえてくる。
愛咲の後ろを黒い車が通り過ぎた。
黒いプリーツスカートが揺れ、
ポケットに入っていたスマホで
自分の容姿を確認すると
セーラー服を着た女子生徒が
映っていた。
黒髪を胸まで伸ばし、まだあどけない顔の自分。
本当にタイムリープしたんだ。
セーラー服ということは今高校生だろうな。
そう思いながらスカートにスマホをしまうと
背中にドンっと衝撃が走った。
たたらを踏みながら振り返る。
「おっはよーう!愛咲っ!」
そこにいたのは明るい色の髪をツインテールにした
猫のように目が大きな美少女だった。
……誰だ?
愛咲の記憶が確かであれば
自分に友達なんていなかったはずだ。
「どうしたの?ユーレイでも
見たみたいなカオして。ほら、行くよっ」
愛咲は戸惑いながらも彼女に手を引かれ
学校に向かった。
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