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「えぇっ!? 愛咲あたしのこと覚えてないの??」
ガタンっと音を立てて立ち上がり愛咲を覗き込む。
学校に着いてすぐに愛咲は彼女の記憶が
ないことを打ち明けていた。
「う、うん。なんか記憶喪失的なアレで」
「マジ? ヤバくない?大丈夫なの?」
「大丈夫。体は何ともないし」
「そっかー……。あ、じゃ自己紹介しないとねっ!
あたしの名前は姫川ユリって言うの!
ふふっ、なんかヘンな感じ。
友達に自己紹介するなんて」
「あはは」
ユリに合わせて笑ってみせる。
「改めてよろしくね!」
太陽のように明るく笑うユリを見て
自分とは正反対なのに、何故
私たちは友達になったのだろう。と
愛咲は不思議に思った。
それをユリに言うと
「友達になるのにそんなの関係ないよ。
ただ友達になりたいからなる。それだけじゃん?」
と笑っていた。
愛咲はまだ、そんな気持ちが分からなかった。
でも、そんな感情を理解しているユリが
少し羨ましいと思えた。
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