見知らぬ友人

2/2
前へ
/9ページ
次へ
「えぇっ!? 愛咲あたしのこと覚えてないの??」 ガタンっと音を立てて立ち上がり愛咲を覗き込む。 学校に着いてすぐに愛咲は彼女の記憶が ないことを打ち明けていた。 「う、うん。なんか記憶喪失的なアレで」 「マジ? ヤバくない?大丈夫なの?」 「大丈夫。体は何ともないし」 「そっかー……。あ、じゃ自己紹介しないとねっ! あたしの名前は姫川ユリって言うの! ふふっ、なんかヘンな感じ。 友達に自己紹介するなんて」 「あはは」 ユリに合わせて笑ってみせる。 「改めてよろしくね!」 太陽のように明るく笑うユリを見て 自分とは正反対なのに、何故 私たちは友達になったのだろう。と 愛咲は不思議に思った。 それをユリに言うと 「友達になるのにそんなの関係ないよ。 ただ友達になりたいからなる。それだけじゃん?」 と笑っていた。 愛咲はまだ、そんな気持ちが分からなかった。 でも、そんな感情を理解しているユリが 少し羨ましいと思えた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加