二人の距離

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「外国の方だと普通なんだよ。小さい子でもみんな付けてるよね」 「へぇ。そうなんですね」 「見て、煌生のあの嬉しそうな顔。可愛いなー。侑生よりも遥かに感情表現が豊かだよね」 「いつか兄さんみたいな俺様になったらどうしよう」 「俺は俺様に加えて優しさも兼ね揃えてる」 「ん?どーした侑生?」 「どちらかといえば、俺様よりも優しさの方が優ってる」 「大変だ。兄さんが大きな勘違いしてる」 「あ?なんだと?やるかコラ」 「ごめんなさい兄さんは優しさの塊です」 「あ。ハルと煌生が手繋いでるよ?うわー。いいね青春だね」 「ちょ、写メっ、写メっ!」 「麗さん、ただの親バカだね」 「写メじゃなくて動画にしといて。帰ったらビデオにおこす」 「りょーかい!」 「侑生も同じく親バカだね。なんかさぁ、二人がそんな風に親バカになってるところを見ると、世の中平和になったなーって安心するよ」 「あ、兄さん。あっちはあっちで男連中にゆづが捕まってるよ?」 「あ?なんだと?ぶっ飛ばす」 「侑生落ちつけ。お前が言ったら本気に聞こえるから」 「俺は常に本気だ」 「しょ、将来ゆづに彼氏できたら大変だね…」 「俺よりも強い奴じゃないと認めない」 「それ最早スーパーサイヤ人でも不可能だから」 真顔で話す侑生に、皐月が苦い笑みを浮かべる。 やっぱり誰がどう見ても侑生は親バカらしく、更にゆづへの愛情は激重みたいだ。
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