瞳に映るのは

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ルナの思惑通りに、私は煌生と離れた寂しさを無理やり突き付けられた。目を逸らし続けていた気持ちに強制的に向き合わされて、人差し指に光るリングを眺めながら一人部屋で涙を零した。 でも、それだけだ。それからは涙一つ流していない。だって泣いたところで、誰も助けてくれないことは分かっているから。 「殺しじゃなくてホッとしてんの?」 テーブルから立ち上がってすぐにそんな問いを投げられてルナを見下ろせば、こちらを見つめてくる青い瞳は瞬き一つせずに私を射抜いていた。 「いつまでそんな腐った思考でいんの?いつになったら、人を殺せるようになる?」 「……ルナ」 「いつになったら前みたいな叶羽に戻ってくれんの」 「前みたいな?」 「前みたいな、ゾッとするような人殺しの瞳を見せろよ」 「……」 そう話している間も一度も目を瞬かせない様子は作り物みたいだ。どうすればここまで生気のない顔が出来るのかと疑問に思ってしまうほど。 前の私もルナと同じだったのかと思うと、哀しいやら、苛立ちやら、嫌な感情がごちゃごちゃと混ざり合う。 その瞳の冷ややかな温度に寒気がして思わず一本後ずさった時、ルナは席を立ち上がり、私の腕を掴んでそこから動けないようにさせた。 「俺は、前の叶羽がいいんだ」 「ルナ、」 「今のお前じゃない」 「……」 「今の叶羽は、殺してやりたいくらい嫌いだ」 ギリギリっと掴まれている手に力が込められて皮膚に爪が食い込む。
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