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「ところで新婚生活はどうなの?」
「ゆんはリア充の話聞いたらブチギレるから言いたくない」
「あら。そんなことで怒らないわよ。だってお兄ちゃんとサ…ハルのことを疎ましく思うことなんて絶対にないわ」
「今サルって…」
「いいわよね。新居でラブラブ生活」
カツカツとヒールを鳴らしながら歩くゆんの横顔はやっぱり苛ついている。糖分足りてないのかな。
「ゆんは一人暮らしどう?」
「初めは寂しかったけど、慣れたら楽ね。たまにお父さんが覗きに来る以外はとても充実してるわ」
「侑生覗きに来るの?」
「来るわよ。それも夜中に。男を連れこんでないかって確認しにね」
はぁ、と溜め息を吐くゆんが段々憐れに思えてきた。
勉強も忙しいし、彼氏もいないし、パパに見張られる…って、なんか疲れそうな毎日だな。そんなことは口が裂けても言えないけれど。
因みにゆんは留学をしない代わりに、一人暮らしをすることを条件に提示したらしい。このまま実家にいても甘えるだけだし、ちゃんと自立しないと。と言い切るゆんは偉い。
偉いけど、自立しないようにする侑生パパの溺愛っぷりも凄い。
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