131人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺らが用があるのは女二人だ」
「ほーら。やっぱり俺は関係なかった。ってことで俺はもうどっか行っていいかな?」
「お前はボディーガードか?」
「は?ボディーガード?いやいやいや。こんなひょろっちい男のどこがそう見えんの?それにあの怪物二人にボディーガードなんて必要ないから。寧ろ俺が守られてる側っつーか」
「女二人は連れて行く。お前も今から俺がする質問に正直に答えたら命を取ることはない」
「質問?まぁ俺が答えられる範囲ならオーケーだけどさ。ちなみにイケメンの秘訣は生まれつきです」
「お前は空港で会ってた男と仲間か?」
「……」
「答えろ」
男は問い掛けながら拳銃を構え直す。私と麗はちらりと視線を合わせて、その一言で男達の目的をなんとなく察した。
「空港で会ってた男……ああ、レオのこと?」
「それにお前らと一緒にやって来た若い男がいただろ」
「……」
「そいつも含めてお前は同じグループの人間か?」
「……そうだって言ったら?」
「今ここで殺す」
ケイはフェードアウトすると言っていた割りには冷静に言葉を交わす。
そしてその会話の内容で、今こうして私達が囲まれているのは、何かしらの理由でレオを狙っている男達の陰謀だと分かった。
それはすぐに飲み込めたけれど、腑に落ちないのは奴らがルナのことを引き合いに出してきたことだ。なぜここでルナの名前が出てくるのか、ちっとも理解出来なかった。
「俺は何も知らない。それに彼女達だって関係ないに決まってるだろ?それなのに連れて行く意味なんかあんの?」
「人質にして男共を誘き寄せる」
「そんなことをしたって無意味だ。彼女達はレオの恋人でもなんでもねーよ」
「試してみないと分からないだろ?」
上手い具合にその理由を聞き出したところで、私達の前にいる男二人が手を伸ばしてきた。今話した通り、私と麗を連れて行こうとしているのだろう。
同じタイミングでケイに銃口を向けている男が引き金に指をかけた。レオに関係しているのならば、彼らが裏社会で仕事をしている人間なのだと容易に予想がつく。つまり、それは脅しでもなんでもない。
最初のコメントを投稿しよう!